令和のご時世にガラケーを使う~その2

どうも、はるかなぎです。

今回は、コンテンツ流し込み編にしようかと思いましたが、とりあえず起動ができないと話にならないので、その辺の話を書いていきたいと思います。

というのも、ガラケーの場合、スマホと違ってSIMが入ってなかったり、解約後の状態であった場合に機能制限がかかるケースが多いです。

契約が無くても、当時の雰囲気を味わう方法もかねて、機能制限を中心に書いていきます。

制限ほぼ無しのドコモ

ガラケーの場合、基本的には大手3社の機種がほとんどですが、その中でもドコモが一番機能制限が緩いです。基本的にSIMカードが入っていなくても、ほとんどの端末機能が使用できます。ただし、下記に記載した通り、他社と比べて期間としてはかなり短いものの、解約後のワンセグ起動に制限をかけていた時期があるので、注意が必要です。(2007春モデル~2008年夏モデルまで)

通信が必要な機能(iモード等)を使用しようとすると、当然SIMカードが入っていないというメッセージが表示されるが、基本的に通信が必要ない機能に制限はかからない。

制限は以下の通りです。機種によって異なる部分があるため、それらも併せて記載します。

  • ワンセグ(P901iTVを除く90Xi、70Xi、らくらくホンプレミアム、いわゆる旧型番機が該当、これらの機種は「通信可能な」SIMカードが入ってないと使用不可、現行型番機はSIMが入ってなくても使用可、録画した番組は型番にかかわらず視聴可)
  • Wi-Fi(F-06Bが該当、それ以外の機種は制限なし、NEC機に至ってはSIMが入ってなくてもひかり電話等で子機として使用可)
  • ラジオ(NM705i、NM706iが該当、ワンセグと同様の扱い)
  • MTPモード(ただし、メーカーによってはSIMが入ってなくても使える場合あり、シャープ機は日付がリセットされた場合、通信可能なSIMカードを入れないと復旧できない機種がある)
  • アプリ(ただし、プリインストールアプリが「新品での購入時のまま」入っている場合、それらは使用可能、再ダウンロードの場合は不可)

ちなみに、圏内→圏外となった場合、ワンセグが起動可能な回数は約15回ほどです。また、後述のソフトバンクと異なり、旧型番機のワンセグ起動条件は「圏内であること」だけなので、適当なMVNOのSIMを入れても起動可能です。(ただし、シャープ機は旧型番機、一部の新型番機で現行のSIMカードを入れてワンセグを起動しようとすると原因不明のエラーが発生し、起動できません)

カメラ以外の付加機能はほぼ制限がかかるau

auの場合、SIMカードが入っていなくても起動自体は可能です。カメラは使用できますが、むしろそれくらいしか使用できず、それ以外の付加機能はほぼ全て制限がかかります。

また、auのガラケーはレベル2SIMロックにより、その端末で使用されていたSIMカード以外を受け付けないため、解約済みSIMを別途入手したりといった方法も使えないので、注意してください。

ワンセグは当然このように制限がかかる。中古で入手した場合等、その端末で使用されていたSIMカードが無い場合は、起動は絶望的である。

制限がかかる機能は以下の通りです。

  • ワンセグ(ただし、末期に発売された一部の機種は制限がかからない場合あり)
  • ラジオ
  • 音楽プレーヤー(au Music PlayerおよびLISMO Player、一部のソニエリ機の音楽プレーヤー機能が該当、SD-Audio等のプレーヤーが別途搭載されている場合、基本的にそちらには制限はかからない)
  • アプリ
  • Wi-Fi(そもそも仕組み上Wi-Fi WINを契約していないと使えなかった)

加えて、非常に稀なケースですが、EZWebの初期設定がされていない端末(プリペイド契約をしていた場合等が該当)は、メール画面も開けないため、注意が必要です。

意地でも解約後に使わせたくないソフトバンク

最も制限がきついのがソフトバンクです。認識可能なSIMカードを持っていないのであれば、絶対に避けてください。

基本的にソフトバンクのガラケーは、SIMカードが入ってないと以下の表示となり、電源のON/OFF、緊急通報(実際には発信できない)以外の操作を受け付けません。

基本的にソフトバンクのガラケーはSIMが入っていないとこのような表示となり、電源のON/OFF、緊急通報以外の操作を受け付けない。

また、何とか解約済みSIMを調達したとしても、大半の機種には機能抑止がセットで付いており、ネットワーク自動調整を行わないと、端末の機能に制限がかかります。また、一定期間電波を受信できない状態(約一か月)が続いた場合も、同様に制限がかかります。

カメラを起動しようとするとネットワーク自動調整を行うように促される。たとえ解約済みのSIMがあったとしてもネットワーク自動調整はできないので、解約後にカメラやワンセグ等は起動できなくなる。

ネットワーク自動調整とは、メールを利用したり、Web接続する際に必要な情報をサーバから自動的に取得する機能とされています。ソフトバンクのガラケーはこの仕組みを機能制限と連動させています。(ネットワーク自動調整自体はボーダフォン時代から存在しますが、機能制限との連動は基本的にソフトバンクになってからです)

なお、現在はネットワーク側の改修により、ネットワーク自動調整自体ができなくなってしまった機種がほとんどのため、この状態になるとカメラやワンセグ等を起動することは二度とできないとお考えください。

機能抑止が無い機種は、ボーダフォン時代に発売された機種(904SH等、ソフトバンク版が存在するものはそれらも含む、ただし905SHのワンセグについては機能抑止あり)、型番が10X以降の機種となります。ただし、いずれも起動自体はSIMカードが入っている必要があります。

機能抑止の対象となる代表的な機能は以下の通りです。

  • ワンセグ
  • カメラ
  • アプリ
  • Wi-Fi(一部の機種を除き、さらにケータイWi-Fiの契約が必要)
  • 着メロ再生および着信音の変更(把握している範囲ではパナソニック機が該当)

特にパナソニック機は現在のネットワーク自動調整に関する状況も踏まえると、着信音の変更が一切できないという、人によっては普通に使う上でも支障が出るレベルの機能制限がかかるので、避けた方がよいです。

001Pで着信音を変更しようとしたところ、ネットワーク自動調整を行うよう促される。さすがにここまで来るとやりすぎだろとは思うが…

イーモバイルは機種によりまちまち

イーモバイルの場合は、機種によってバラバラです。唯一所持しているH11Tについては、基本的にソフトバンクと同様の制限がかかります。ただし、H11Tはソフトバンクのガラケーとは異なり、機能抑止の対象はワンセグのみで、それ以外の機能はネットワーク自動設定(イーモバイルの場合は「自動調整」ではないです)を行わなくても使用可能です。

H11T以外の機種でも、SIMが入ってないと操作ができない機種がありますが、H11TやEMONE等の一部の機種を除き、基本的にはSIMフリーだったはずなので、何らかのSIMカードを入れれば起動は可能かと思われます。

機能制限の理由

このように、ガラケーには今では考えられない多くの機能制限がかかっていますが、これは当時の端末の販売方法が大きく関係しています。

2007年頃までは、今のような一括、分割という販売方法ではなく、定価よりも安い価格(一部の特殊な機種を除けば、一番高くても3万円前後であることが多かった)で販売され、その差額を通信料で回収するというビジネスモデルが主流でした。そのため、発売から半年ほどが経過し、新機種が出ると、型落ちとなった旧機種は新規1円で投げ売りされるケースがほとんどでした。(なので、当時は安く端末を手に入れるために現契約を解約し、新規で入りなおすといった方法をとる人も結構いました。大抵はそれで売り切れていくものの、それでも売れない端末は機種変更でも1円になったりするケースも)

一部では、端末の機能目当てで安く端末を入手し、すぐに解約する(当時、新規即解等と呼ばれていました)という行為も横行しており、これをやられると通信料が入ってこなくなり、端末代が回収できなくなります。なので、それを防止するために、このような制限がかかっていました。

ドコモは現在の販売方法に移行後、1年ほどで機能制限を廃止したのに対し、auとソフトバンクはその後も制限をかけ続けました。

ただし、ソフトバンク端末の「電源のON/OFF、緊急通報以外の操作を受け付けない」制限については、機能制限というよりはボーダフォン時代に、海外仕様に合わせたというのが大きな理由と思われます。(当時、海外の携帯電話はSIMカードが入ってないと電源のON/OFF、緊急通報以外の操作を受け付けない仕様となっているものが多かった)

機能制限が無くなっていった理由(あくまで推測です)

前述の通り、ドコモは現在の販売方法に移行後、それを理由として機能制限を廃止していますが、auとソフトバンクはその後も制限をかけ続けました。あくまで推測ですが、これが変わるきっかけとなったと思われる災害があります。

そう、東日本大震災です。

何故と思うかもしれませんが、実は震災が発生してから約1か月後に、ソフトバンクがこんなお知らせを出しています。

端末の一部機能(ワンセグ、カメラ等)が使用できなくなった場合の手順について
https://www.softbank.jp/mobile/info/personal/news/support/110406b/

東日本大震災では、津波により基地局等も破壊されました。つまり、携帯電話の通信も当然不可能です。

勘のいい方はここで気づくと思います。そう、解約後の機能制限が目的だったはずの機能抑止がここで意図せず発動してしまったのです。情報収集のためにワンセグを使っていた被災者の方も多いと思われますが、この機能抑止によって、ワンセグが使えなくなってしまいました。スマホに関してはさらに制限がきつく、緊急通報以外のすべての機能がロックされたようです。

徹底的に機能制限をかけていたソフトバンクもこの仕様はまずいと思ったのか、同年夏に発売された003Pは、SIM無しでも機能制限がかからない仕様になってたようです。そして同年冬の10X型番以降、すべてのメーカーでスマホはSIM無しでも起動可能となり、ガラケーは相変わらずSIM無しでの起動はできないものの、機能抑止については廃止されました。

その後、auのガラケーでもワンセグの機能制限がかからなくなったようです。

まとめ

今回はガラケーを起動し、当時の雰囲気を味わうという方向で当時のガラケーにかかっていた機能制限を中心に書きました。

先日、KDDIから3Gサービスの終了が再度告知され、ガラケーが一部でまた話題になっているようですが、押し入れにしまってある当時のガラケーを引っ張り出してみよう、あるいは触ってみようという方が一人でも増えれば?嬉しいです。

令和のご時世にガラケーを使う~その2” に対して1件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    Chromeから見ると昨日が証明書の期限切れだそうです
    更新を楽しみにしてます!
    失礼しました。

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